【イギリス】自閉症のお嬢と大英図書館へ行く

目次

大英図書館

「大英図書館」に家族で赴いた。

場所はキングスクロスセントパンクラス駅から徒歩3分ほどに位置する。

大英図書館は1億7000点の資料が貯蔵されている、世界最大規模の図書館だ。
5年前で約1億7000点とのことなので、現在はもちろんもっと増えている、とスタッフの方が丁寧に教えてくれた。

館内には、大英図書館の外観の模型があったが、横からみると、、、

そう、「船」の形なのだ。

館内は学習スペースが揃っており、机に椅子、USBチャージャーも各机に設置されている。給水サーバーも各階に設置されており、学習するには持ってこいの場所だ。こんな場所が近くにあれば、通いたいものだ。

大英図書館のリラックスアーリーオープニング

今回は友人に教えていただき、大英図書館の「Relaxed Early Opening for Families」というイベントに参加した。
お恥ずかしながら、家族全員が大英図書館に訪れたのは初めてだが、満足度の高い充実した時間を過ごすことができた。

入口で荷物検査をして、予約したチケットを提示、スタッフの方が案内をしてくれた。

スタッフさん

正面階段を上がって左側がトレジャーギャラリーです。よければ、そちらを見学してから、広場でクラフト作成などのアクティビティもできます。
リーフレットを作ったりマスクを作ることができますよ。

お嬢

マスク、、、

お嬢の心が「マスク」に釘付けになった瞬間だった。

【大英図書館】まさにお宝なエキシビションギャラリー

常設展のエキシビションギャラリー、その名もTreasures of the British Library。まさにお宝という資料が揃っていた。

カテゴリー毎に分けられており、「MUSIC」では、モーツアルトヘンデルの楽譜、「ART」のカテゴリー、他にもシェイクスピアダ・ビンチビートルズなど、かなり見応えがある。

マグナ・カルタのコーナーもあり、決して広いスペースではないが、思わず時間をかけてみていたくなる、そんなギャラリーだった。

個人的には、わたしが大好きな「不思議の国のアリス」の原稿の展示があれば嬉しかったのだが、現在は閲覧できないとのこと。

わたし達は、館内オープン前に入っているので、ギャラリーをみていたのは、お嬢、お嬢の父、わたしの3人だけ。それは、もうゆっくりと同じ場所を何度も周りながら堪能した。

しかし、、約1名、心ここにあらずの人が、、、

お嬢「マスク作れる?」

お嬢「「わたし、タイガーのマスク作る。」

お嬢「マスク作りに行こうよ。」

お嬢の心はマスク制作にまっしぐら。このギャラリー内で、何度「マスク」と言われたことか。

こうなると、お嬢は「早くでよー」「マスク行こうー」の連続である。

でもギャラリーにはわたし達しかいないので、そんなお嬢の猛烈マスクアピールを受けながらも、ゆっくりじっくり見学することができた。

お嬢はマスクアピールをしながらも、トレジャールームをすべて見て周り、学校で習った「シェイクスピア」など知っているものに反応し、わたしに教えてくれていた。

ホールでクラフトアクティビティ

トレジャーギャラリーを出たあとは、階段を上がったホールでクラフトのアクティビティをさせてもらえた。

マスク作りに胸が高鳴っているお嬢。

トレジャーギャラリーからアクティビティの場所へ移動中のお嬢。

お嬢

マスク、マスク、マスク❤️

アクティビティのスタッフの方に説明を受ける。見せていただいたのは、紙袋と画用紙、色鉛筆やシール装飾など。

「ま、、すく???(マスク?)」

マスク作りじゃなかった。紙袋から何を作るのかと思えば、パペットだった。

わたし

わ、、わーーーお嬢、紙袋に手を入れて動かせるおもちゃになるね、マスクみたいだね。(汗)

必殺、おだてて、おだてて、アクティビティを楽しませよう大作戦。

初めての人がいると一気にシャイになるお嬢、スタッフの方に手伝ってもらいながら、タイガーパペット完成。

そして、スタッフの方は、お嬢の着ているもの、身につけているものをみて、ロンドンの地下鉄「London Underground」が好きなことをすぐにわかってくれた。また、そのスタッフの方もロンドンの地下鉄好きということで、どの路線が好きか、などを話すことができ、お嬢は嬉しそうだった。

誰もいない大英図書館の散策

アクティビティの後は、誰もいない館内を歩き回った。この日は日曜だったので、ショップやカフェは11時オープンということだったが、館内の中心に構えた圧巻のライブラリーは見応えがある。それを囲むようにスタディエリアが至る所にある。リラックスタイムで来ていた他の方は帰ってしまったが、わたしたちは一般オープン時間の11時過ぎまで誰もいない館内を堪能した。スタッフの方は、リーディングルームにも案内してくれ、スクールトリップなどで、子ども達が訪れたときは、リーディングルーム、センサリールームも利用しているという話を聞かせてくれた。

お嬢にもセンサリールームを見せてくれたが、今回は必要なかったようだ。なんせ、誰もいない館内だったこともあり、お嬢もすっかりリラックスしていた。

London Underground ロンドンの地下鉄(チューブ)好きには居心地が良い

大英図書館内にいると、数分間隔で地下を走るロンドンの地下鉄(チューブ)の音が聞こえる。時には振動も強く感じる、とスタッフの方は教えてくれた。

この地下を走るチューブの音に、電話、特にロンドンの地下鉄好きのお嬢は大興奮。

お嬢

メトロポリタンラインだ!

メトロポリタンラインとはお嬢が最も気に入っているロンドンの地下鉄の路線だ。

スタッフさん

実は、これ、ヴィクトリアラインなんです。

メトロポリタンラインではなかったが、地下鉄を感じられる図書館、ということにお嬢は喜んでいた。ロンドンの地下鉄をまさに肌で感じることができ、お嬢が最も興奮、喜んだ瞬間かもしれない。

イギリスの公共施設にみられる自閉症とその家族のためのオープン時間

イギリスでは、ミュージアムやギャラリーなど様々な施設が一般開園・会館時間前の朝の2時間ほどをスペシャルニーズとその家族も安心して訪れることができるように設けることがある。施設によるが、1ヶ月または2ヶ月に1度くらいの割合だろうか。

一般のお客さんが来場する前なので、静かな空間で落ち着いてみてまわることができる。

また、通常、音楽が流れるような環境の施設も、この時間だけは音楽が止められている。多くの自閉症が抱える聴覚過敏に配慮がされているというわけだ。

大抵の場合、フリーのチケットをオンラインで予約して、当日会場に訪れる流れだ。

おそらく入場者数も決められているので、混み合うこともない。そして、その時間の来場者のほとんどが、スペシャルニーズの子どもとその家族なので、何が起きてもものともせず、安心して過ごすことができる。

わたしは、これまでお嬢とPostal museum、Transport museum depotのリラックス、アーリーモーニングに訪れたことがあるが、どちらも、ゆっくり自分たちのペースで過ごすことができた。

このようなスペシャルニーズへの対応は、トランポリンなどのアクティビティ施設や、映画館、シアターでもも設けられているところがある。

まとめ

1度ならず、何度も訪れたくなる、大英図書館はそんな場所だ。清潔で落ち着いた雰囲気の中で作業や学習ができるので、人気があるのも頷ける。

平日、休日ともに、少しでも良い席を確保しようと、会館前から長蛇の列をつくり学生など多くの方が作業や学習をしにくるのだ。わたしたちが訪れた日も11時前から外をみると、長蛇の列ができていた。

そして、ロンドンの地下鉄「London Underground」好きはぜひ、地下鉄の音と振動を感じることができる最高の環境だろう。

企画展やワークショップも常に実施されているので、ぜひ、また訪れたい。

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